| Q:一般家屋の解体前に残置された廃棄物を不用品回収業者などが整理・収集した場合、事業活動から排出された廃棄物となるため、当該残置物は産業廃棄物に該当する? A:残置された廃棄物は、事業者が整理・収集しても産業廃棄物に該当しない。 |
業者が整理すると事業活動で生じた廃棄物になるから産業廃棄物じゃないの?
「家の不用品回収します!」
そんなチラシをよく見かけませんか?近年の高齢化社会により、不用品回収サービスの需要が高まっています。
例えば、住宅を解体する前に、室内に残された家具や生活用品を不用品回収業者に依頼して片付けてもらうケースはがあります。このような場面で、「業者が回収するのだから産業廃棄物になるのでは?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、結論からいうと、それは誤りです。
廃棄物処理法における廃棄物の分類
廃棄物処理法では、廃棄物を次のように定義しています。
(定義)
廃棄物処理法第2条
この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
2 この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
3 略
4 この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
一 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
二 略
ポイントは、「産業廃棄物」は事業活動に伴って生じた法律で定められた20種類の廃棄物に限られるという点です。
一方、「一般廃棄物」は産業廃棄物以外の廃棄物を指します。そのため、産業廃棄物に該当しない廃棄物は、原則として一般廃棄物となります。
建築物の残置物の処理責任は
残置物の処理に関しては、環境省から次の通知が発出されています。
平成 30 年6月 22 日付 「建築物の解体時等における残置物の取扱いについて(通知)」
この通知の中に次のような記載があります。
1.残置物の処理責任の所在について
建築物の解体に伴い生じた廃棄物(以下「解体物」という。)については、その処理責任は当該解体工事の発注者から直接当該解体工事を請け負った元請業者にある。一方、建築物の解体時に当該建築物の所有者等が残置した廃棄物(以下「残置物」という。)については、その処理責任は当該建築物の所有者等にある。このため、建築物の解体を行う際には、解体前に当該建築物の所有者等が残置物を適正に処理する必要がある。2.残置物の適正な処理を確保するための方策について
解体物は木くず、がれき類等の産業廃棄物である場合が多い一方、残置物については一般家庭が排出する場合は一般廃棄物となり、事業活動を行う者が排出する場合は当該廃棄物の種類及び性状により一般廃棄物又は産業廃棄物となる。
一般家屋の解体前に残された生活用品や家具は、もともと当該家屋の所有者が日常生活を営む上で生じた廃棄物です。そのため、排出時点においては「一般廃棄物」に該当します。
不用品回収業者がそれを整理・収集する行為は事業活動に当たりますが、それによって一般廃棄物が産業廃棄物に変わるわけではありません。
したがって、これらの残置物は一般廃棄物として適正に処分する必要があります。
業者が無許可で回収すると違法になる
一般廃棄物の収集・運搬を業として行うには、市区町村長の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
ご存じの方も多いと思いますが、一般廃棄物収集運搬業の許可は新規取得が非常に難しい許可の一つです。
そのため、産業廃棄物収集運搬業の許可しか有していない業者が家庭の残置物を回収した場合、一般廃棄物の無許可営業に該当する可能性があります。
無許可で一般廃棄物の収集運搬業を営んだ場合、廃棄物処理法違反として、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。
まとめ
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 廃棄物の区分の基準 | 誰の活動から生じたか(発生源) |
| 家庭の残置物の区分 | 一般廃棄物 |
| 必要な許可 | 一般廃棄物収集運搬業許可 |
| 無許可で回収した場合 | 5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金 |
解体前の住宅に残された家具や生活用品は、不用品回収業者が回収するからといって産業廃棄物になるわけではありません。
不用品回収を依頼する際は、その業者が一般廃棄物収集運搬業の許可を有しているか、または市区町村の許可業者と連携しているかを事前に確認することが重要です。
最後に、環境省が公表している残置物の処理に関する資料を掲載します。残置物の適正処理について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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