| Q:最新の令和6年度統計で、不法投棄の実行者として最も多かったのは誰? A:件数・投棄量ともに、不法投棄実行者としてもっとも多かったのは「排出事業者」でした。 |
排出事業者自身がなぜ不法投棄をするの?
不法投棄と聞くと、無許可の業者や悪質な処理業者が行うものだとイメージされる方が多いのではないでしょうか。
しかし、環境省が公表している最新の令和6年度統計を見ると、不法投棄の実行者として件数・投棄量ともに最も多いのは、排出事業者自身であることがわかります。
結論:排出事業者が実行者の中心である
環境省の「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和6年度)」によれば、令和6年度に新たに判明した不法投棄事案は106件でした。
このうち実行者が判明しているものを実行者別にみると、投棄件数・投棄量のいずれにおいても最も多いのは排出事業者です。
件数でみると、実行者不明分を除き、排出事業者によるものが35件(全体の33%)で最多となっています。
投棄量でみても、排出事業者による不法投棄が8,843トン(全体の61.4%)を占め、他の実行者を大きく引き離しています。

排出事業者自身が不法投棄をした動機
警察庁が公表している令和7年警察白書の統計資料には、産業廃棄物の不法投棄事犯を投棄者別・動機別に分類した集計があります(統計2-31「産業廃棄物不法投棄事犯の投棄者別、動機別内訳(令和6年)」)。
これは、検挙された不法投棄事犯214件を対象にした統計です。
動機別にみると、最も多いのは「処理経費の削減」で89件(約41.6%)でした。
次いで多いのが「処分場の手続きが面倒」で76件(約35.5%)です。
この2つの動機だけで、全体の約8割近くを占めています。
排出事業者に限定しても傾向は同じです。
排出事業者169件のうち、「処理経費の削減」が73件、「処分場の手続きが面倒」が68件と、この2つが突出して多くなっています。
ここで補足をしておきますが、
環境省の統計(新規判明事案の実行者別集計)と、警察庁の統計(検挙事犯の動機別集計)とでは、対象としている母集団が異なります。
環境省の統計は、検挙の有無にかかわらず行政が新たに把握した投棄事案を集計したものです。
一方、警察庁の統計は、実際に刑事事件として検挙された事犯のみを対象としています。
いずれの統計でも排出事業者が最も目立つ存在であること、そして、検挙された不法投棄事犯では「処理コストを惜しむ」「手続きが煩わしい」という動機が多いことは、実務上重要な示唆といえます。
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