小売店舗から発生した「魚のアラ」は、産業廃棄物の「動植物性残さ」に該当する?
尾上雅典
この記事の執筆者
尾上雅典
行政書士 / 廃棄物法務コンサルタント
「廃棄物実務クエスト」共同執筆者
Q:小売店舗から発生した「魚のアラ」は、産業廃棄物の「動植物性残さ」に該当する?
A:産業廃棄物ではなく、「事業系一般廃棄物」に該当します。

疑問

「小売業」という事業活動から発生した廃棄物なのに、なぜ一般廃棄物になるの?

「動植物性残さ」とは

産業廃棄物の種類は、廃棄物処理法施行令第2条に列挙されています。

そのうち「動植物性残さ」(同条第二号)とは、食料品製造業、医薬品製造業または香料製造業において原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物をいいます。

魚のアラは、一見すると「動物に係る固形状の不要物」にあてはまりそうですが、それだけでは「動植物性残さ」になりません。

発生源の業種が、政令で限定列挙された3業種のいずれかであることが必要です。


スーパー(小売業)は対象外

小売業は、食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業のいずれにも該当しません。

したがって、小売業の店舗で魚を加工する際に生じる魚のアラは、廃棄物処理法施行令第2条第2号の要件を満たさないため、産業廃棄物の「動植物性残さ」には該当しません

そのため、スーパーから発生する魚のアラは、(事業系)一般廃棄物として処理することになります。


なぜ間違えやすいのか

「食品から発生した有機物の廃棄物」→「事業活動で発生した廃棄物」→「動植物性残さ(産業廃棄物)」と直感的に判断してしまいやすいところが、このクイズのポイントです。

しかし、廃棄物処理法における産業廃棄物の種類は、「廃棄物の性状」と「発生源の業種」の組み合わせで判断しなければならないケースが多々あります。

同じ魚のアラであっても、かまぼこ製造工場(食料品製造業)から発生すれば「動植物性残さ」として産業廃棄物になり、スーパーの鮮魚売り場(小売業)から発生すれば一般廃棄物になります。


まとめ

発生源業種廃棄物の種類
かまぼこ・水産加工工場食料品製造業産業廃棄物(動植物性残さ)
スーパーの鮮魚売り場小売業一般廃棄物
飲食店の厨房飲食サービス業一般廃棄物

一般廃棄物か産業廃棄物かという廃棄物の種類を判断する際には、「廃棄物の性状」だけでなく、「どこから(どの業種から)発生したものか」を組み合わせて確認する必要があります。

尾上雅典
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尾上雅典

行政書士 / 廃棄物法務コンサルタント

廃棄物処理法、委託基準、処理委託契約、許可実務などを中心に、制度の構造と実務判断を整理しています。

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