Q. 産業廃棄物の「ゴムくず」は、天然ゴムだけでなく合成ゴムも含まれるのか? A. 天然ゴムのみである。合成ゴムは「廃プラスチック類」である。 |
今回の問題は、廃棄物処理法の定義だけでなく、化学的な知識も必要とされました。
「ゴム」と聞いてみなさまはどのようなものを想像しますか。
輪ゴム?、消しゴム?、ヘアゴム?、ゴムホース?、ゴム手袋?
果たして、それは全て廃棄物処理法上の「ゴムくず」なのでしょうか。
まずは、廃棄物処理法において「ゴムくず」がどう定義されているかを確認しましょう。
(産業廃棄物)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)
第2条 法第2条第4項第1号の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。
(中略)
五 ゴムくず
定義は、シンプルに「ゴムくず」とだけ記載があります。
しかし、ゴムの種類は、大きく分けて【天然ゴム】と【合成ゴム】があります。
純粋なゴムとは【天然ゴム】のことをいいます。
天然ゴムは、ゴムの木という樹木の幹から採取される樹液を凝固させて作られます。
「天然」ということで、自然に採取できるゴムが、天然ゴムというわけです。
身近にある天然ゴムとしては、輪ゴムや手袋、長靴などがあげられます。
一方、合成ゴムは、石油を成分として人工的に合成されたゴム状物質などのことを言います。
また、合成ゴムは、石油から精製されたイソプレンやブタジエン、スチレンなどの低分子材料(モノマー)を化学的に結合(重合)して得られた高分子材料(ポリマー)です。
高分子材料(ポリマー)の代表的な素材として、ペットボトルやビニール袋などがあります。
これらは、プラスチックであるということは周知の事実かと思います。
よって、合成ゴムもペットボトル等と同様に「プラスチック」であるということになります。
廃棄物処理法でプラスチックゴミは、「廃プラスチック類」に該当します。
ということで、今回のクイズの正解は、「天然ゴム」は【ゴムくず】、「合成ゴム」は【廃プラスチック類】ということになります。
このように産業廃棄物の分類は、化学的な知識がある程度必要になる場合もあります。
高校化学程度の知識は備えて、廃棄物の分類を確認してはいかがでしょうか。