| Q:産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付者は、電子マニフェストを利用した場合でも、自ら都道府県知事等にマニフェストの交付等状況を報告しなければならない? A:電子マニフェストを利用した場合、自らマニフェストの交付等状況を報告する必要はない。 |
紙のマニフェストを利用するか電子マニフェストを利用するかで、報告義務が異なるのはなぜ?
今回のクイズのポイントは、「自ら」という部分にあります。
電子マニフェストを利用した場合でも、マニフェストの交付等状況報告自体は必要です。ただし、「自ら」報告する必要はありません。
この点について、詳しく解説していきます。
実は、本クイズの内容は過去のクイズの解説記事でも触れています。
2024年8月17日付 「産業廃棄物管理票(マニフェスト)を使用した場合、マニフェスト交付者は都道府県知事に報告する必要がある?」
まずは、マニフェスト交付等状況の報告が必要な理由について、条文で確認しておきます。
(産業廃棄物管理票)
廃棄物処理法第12条の3
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項及び第2項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
2~6 略
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
(以下略)
(管理票交付者の報告書)
廃棄物処理法施行令第8条の27
法第12条の3第7項の規定による管理票に関する報告書は、産業廃棄物を排出する事業場(同一の都道府県(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項に規定する指定都市又は同法第252条の22第1項に規定する中核市にあつては、市)の区域内に設置が短期間であり、又は所在地が一定しない事業場が2以上ある場合には、当該2以上の事業場を1の事業場とする。)ごとに、毎年6月30日までに、その年の3月31日以前の一年間において交付した管理票の交付等の状況に関し、様式第三号により作成し、当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事に提出するものとする。
紙の産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、条文の主語にもあるとおり、報告義務者は「管理票交付者」とされています。
それでは、電子マニフェストの場合はどうでしょうか。
(電子情報処理組織の使用)
廃棄物処理法第12条の5
第12条の3第1項に規定する事業者であつて、その事業活動に伴い多量の産業廃棄物(その運搬又は処分の状況を速やかに把握する必要があるものとして環境省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)を生ずる事業場を設置している事業者として環境省令で定めるもの(以下この条において「電子情報処理組織使用義務者」という。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合(第十二条の三第一項に規定する環境省令で定める場合及び電気通信回線の故障の場合その他の電子情報処理組織を使用して第十三条の二第一項に規定する情報処理センター(以下この条において単に「情報処理センター」という。)に登録することが困難な場合として環境省令で定める場合を除く。)には、運搬受託者及び処分受託者(その使用に係る入出力装置が情報処理センターの使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続されている者に限る。以下この条において同じ。)から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め、かつ、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物を引き渡した後環境省令で定める期間内に、電子情報処理組織を使用して、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を情報処理センターに登録しなければならない。この場合において、当該電子情報処理組織使用義務者は、運搬受託者及び処分受託者から報告することを求め、かつ、情報処理センターに登録したときは、第十二条の三第一項の規定にかかわらず、当該運搬受託者又は処分受託者に対し管理票を交付することを要しない。
2 第12条の3第1項に規定する事業者(その使用に係る入出力装置が情報処理センターの使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続されている者に限り、前項に規定する産業廃棄物を取り扱う場合の電子情報処理組織使用義務者を除く。以下この条において「電子情報処理組織使用事業者」という。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合において、運搬受託者及び処分受託者から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め、かつ、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物を引き渡した後環境省令で定める期間内に、電子情報処理組織を使用して、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を情報処理センターに登録したときは、同項の規定にかかわらず、当該運搬受託者又は処分受託者に対し管理票を交付することを要しない。
3~8 略
9 情報処理センターは、環境省令で定めるところにより、第1項又は第2項の規定による登録及び第3項又は第4項の規定による報告に関する事項を都道府県知事に報告しなければならない。
(以下略)
条文が長くて非常に読みづらいのですが、法第12条の5第2項の趣旨は、
「紙マニフェストの交付者が情報処理センターのシステムを利用して、産業廃棄物の運搬、処分を登録した場合、紙マニフェストの交付は不要になる」
ということです。
この「情報処理センターのシステムを利用して廃棄物の管理をする仕組み」が、いわゆる電子マニフェストです。
それでは、電子マニフェストの報告はどうなっているのでしょうか。
同法第9項にあるように、報告義務者は「情報処理センター」とされています。
つまり、紙マニフェストではマニフェスト交付者に交付義務があるのに対し、電子マニフェストではその義務が情報処理センターに代わっています。
整理すると、次のとおりです。
紙マニフェストの交付報告義務者 → マニフェスト交付者
電子マニフェストの交付報告義務者 → 情報処理センター
情報処理センターを運営する日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)では、分かりやすい図も公表されていますので、最後にご紹介します。






