| Q:排出事業者は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を全て受け取ってから5年間保存する義務がある? A:保存期間は各票によって異なり、「全てのマニフェストを受け取った日から」ではない。 |
マニフェストの各票で保存期間の起点が異なるなんてめんどくさいわね、、、
産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、これまでも解説してきたとおり、排出事業者に交付義務があります。マニフェストには保存義務があり、法令で定められた期間保存しなかった場合には、罰則の対象となります。そのため、マニフェストの保存期間だけでなく、「保存期間の起点」を正しく理解しておくことが非常に重要です。
それでは、今回も該当条文を確認しましょう。
(産業廃棄物管理票)
廃棄物処理法第12条の3
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項及び第2項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
2 前項の規定により管理票を交付した者(以下「管理票交付者」という。)は、当該管理票の写しを当該交付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
3 産業廃棄物の運搬を受託した者(以下「運搬受託者」という。)は、当該運搬を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、当該処分を委託された者に管理票を回付しなければならない。
4 産業廃棄物の処分を受託した者(以下「処分受託者」という。)は、当該処分を終了したときは、第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項(当該処分が最終処分である場合にあつては、当該環境省令で定める事項及び最終処分が終了した旨)を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。
5 処分受託者は、前項前段、この項又は第12条の5第6項の規定により当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された管理票の写しの送付を受けたときは、環境省令で定めるところにより、第一項の規定により交付された管理票又は第三項後段の規定により回付された管理票に最終処分が終了した旨を記載し、環境省令で定める期間内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。
6 管理票交付者は、前3項又は第12条の5第6項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処分が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
(以下略)
条文ではわかりにくいと思いますので、マニフェストの交付の流れを図示すると以下のようになります。

まず、管理票交付者である排出事業者が、産業廃棄物の処理を委託する際に発行するのが、いわゆる「A票」です。このA票が、廃棄物処理法第12条の3第2項に定める管理票に該当します。
A票の保存期間の起点は、「当該管理票を交付した日」です。つまり、排出事業者が産業廃棄物を収集運搬業者に引き渡した日から、保存期間がスタートします。
一方で、
・収集運搬業者が運搬終了時に返送する「B2票」:第12条の3第3項
・処分業者が処分終了時に返送する「D票」:第12条の3第4項
・最終処分終了時に返送される「E票」:第12条の3第5項
これらの管理票については、保存期間の起点が異なります。
B2票、D票、E票の保存期間の起点は、廃棄物処理法第12条の3第6項にあるとおり、「当該管理票の写しの送付を受けた日」となります。
したがって、各管理票ごとに保存期間の起点が異なるため、実務上は特に注意が必要です。
次に、各管理票の保存期間について条文を確認します。
(管理票交付者が交付した管理票の写しの保存期間)
廃棄物処理法施行規則第8条の21の2
法第12条の3第2項の環境省令で定める期間は、5年とする。
(管理票交付者が送付を受けた管理票の写しの保存期間)
廃棄物処理法施行規則第8条の26
法第12条の3第6項の環境省令で定める期間は、5年とする。
つまり、すべての管理票の保存期間は、5年間と定められています。
マニフェストの保存義務については、次のとおり罰則が規定されています。
廃棄物処理法第27条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
一 ~ 四
五 第12条の3第2項、第6項、第9項又は第10項の規定に違反して、管理票又はその写しを保存しなかつた者
たとえば、A票の交付日から5年が経過したからといって、すべてのマニフェストを廃棄してしまうと危険です。A票とは別に、B2票、D票、E票については、それぞれ「返送を受けた日」から5年間の保存義務があります。
仮に、A票の保存期間が満了していたとしても、その後に返送されたB2票やD票、E票の保存期間が満了していなければ、それらを廃棄すると保存義務違反となる可能性があります。
マニフェスト管理は形式的に行われがちですが、保存期間の起点を誤ると、思わぬ法令違反につながるおそれがあります。改めて、社内での管理方法を確認しておくことをおすすめします。





