Q. 特別管理産業廃棄物収集運搬業を取得していれば、特別管理産業廃棄物のみならず産業廃棄物の収集運搬も可能である。 A. 可能ではない。特別管理産業廃棄物のみしか運搬できない。 |
許可の区分は、許可業者はもちろんのこと、排出事業者も知っておかないといけない基礎知識です。
特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物に比べ、危険性の高い廃棄物のことを指すので、その廃棄物を運べる事業者は、産業廃棄物も運べそうですが、法律上の異なる許可となっています。
産業廃棄物収集運搬業の許可は、法第14条第1項に記載があり、特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可は、法第14条の4第1項に記載されています。
(産業廃棄物処理業)
第14条 産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第十四条の三の三まで、第十五条の四の二、第十五条の四の三第三項及び第十五条の四の四第三項において同じ。)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
(特別管理産業廃棄物処理業)
第14条の4 特別管理産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、特別管理産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその特別管理産業廃棄物を運搬する場合に限る。)その他環境省令で定める者については、この限りでない。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)
全く別の法律の条文にあるということは、それぞれが独立した許可であり、どちらか一方の許可を取得すれば、全てを包括するものではないことがわかります。
この許可区分について、なぜ排出事業者が知っておかないかといいますと、次のような事業者がいた場合、排出事業者が行政指導もしくは行政処分を受ける可能性があるからです。
排出事業者はワシら任せやから、特別管理の許可で何でも運べる言うたら丸投げやろ。パクられるときは、道連れや!!
この場合、許可なく運んだ処理業者も無許可営業で罰則の対象となりますが、排出事業者も無許可業者同様に、委託基準違反により5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金を科せられることとなります。
このような事態を避けるため、排出事業者は、廃棄物の処理を委託する際、委託契約書とともに委託先の許可証をしっかり確認することが重要です!