| Q:事業活動から発生した木製パレットは、昭和46年の廃棄物処理法施行時からずっと産業廃棄物扱いだった? A:「木製パレット」が産業廃棄物の「木くず」になったのは平成20年4月1日からですので、それ以前は一般廃棄物として扱われていました |
「事業活動から発生した廃棄物」なのに、なぜ昔は一般廃棄物扱いだったの?
それは、廃棄物処理法施行令第2条の産業廃棄物の「木くず」の定義が、平成19年の廃棄物処理法施行令改正に伴い、従来よりも拡張されたためです。
木製パレットが一般廃棄物でしかなかった時代、法律の規定どおりに市町村の清掃工場に持ち込んだとしても、「受入れ可能なサイズではない」「そのまま焼却炉に投入できるようにカットして持ってきてくれ」等々、事実上一般廃棄物と強いて受け取りを拒否されることが多く、廃棄物処理法違反となりますが、産業廃棄物処分業者に産業廃棄物として持ち込むしかなかった背景があります。
そのため、平成17(2005)年に至り、社会実態と乖離した法律規定を是正する必要性がようやく政府に認知され、産業廃棄物の木くずの定義が見直された結果、廃棄物処理法施行令第2条が改正されることになりました。
平成19年09月07日付環廃対発第070907001号、環廃産発第070907001号「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行について」
第1 改正の趣旨
木くずについては、改正政令による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和 46年政令第 300号。以下「令」という。)において、建設業などの特定の業種に係るもののほか、PCBが染み込んだものが産業廃棄物として定められ、それ以外のものは一般廃棄物として取り扱われてきたところである。
木製パレット等に係る木くずについては、現状では、いわゆる事業系一般廃棄物である木くずとされているところ、多種多様な業種から少なくない量が恒常的に排出されていること等から、廃棄物の区分の見直し等を求める排出事業者等からの規制改革要望等があり、平成 18年3月 31日の規制改革・民間開放推進3か年計画(再改訂)において、事業系一般廃棄物である木くずの一般廃棄物と産業廃棄物の区分について、その排出実態や排出事業者等の意見を踏まえて検討の上、見直すことが閣議決定された。
これを受け、令について所要の改正が行われたものである。第2 改正の内容
1 産業廃棄物の追加について(令第2条第2号関係)
事業系一般廃棄物である木くずのうち、「物品賃貸業に係る木くず」及び「貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係る木くず」(以下「物品賃貸業に係る木くず等」という。)が、産業廃棄物として追加されたことから、その取扱いに当たっては、以下の点に留意されたい。
なお、物品賃貸業に係る木くず等が廃棄物に該当するか否かは、従前どおり、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものである。(1)物品賃貸業に係る木くずについて
「物品賃貸業に係る木くず」とは、日本標準産業分類による中分類 88に該当する事業の事業活動に伴って生じた木くずをいい、具体的には、リース事業者から排出されるリース物品(家具・器具類等)に係る木くずが該当する。
したがって、例えば、木製のリース物品が、当該リース契約終了後に有価物として売買され、その後、リース事業者以外の事業者から廃棄物として排出される場合には、当該廃棄物は、物品賃貸業から排出されたものではないため、「物品賃貸業に係る木くず」には該当しない。(2)貨物の流通のために使用したパレットに係る木くずについて
「貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係る木くず」については、業種による限定が設けられていないため、排出事業者の業種を問わず、事業活動に伴って生じたものはすべて産業廃棄物に該当することとなる。
ここでいうパレットとは、貨物を荷役、輸送又は保管するために単位数量に取りまとめて載せる面をもつ台のことであり、積載面の上部に木枠などの構造物を有するものを含むものである。
なお、魚や野菜などを輸送する際に当該貨物をその中に入れるために用いられる小型の木箱やパレットの使用を伴わない大型の木枠などは、パレットへの積付けのために使用されるものではないため、これらに係る木くずは、「パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材に係る木くず」には該当しない。
平成20年というと2008年ですから、「木製パレット」が産業廃棄物の木くずに変わってから17年となります。
廃棄物処理法自体は施行後50年以上経っていますので、その歴史の長さと比べると、比較的最近の出来事と言えます。





