産業廃棄物を引き受けた時点で、紙マニフェストの「処分終了年月日」に処分予定年月日を記載しても「虚偽記載」には当たらない?
Q:処分受託者が産業廃棄物を引き受けた時点で、紙マニフェストC1票以下の「処分終了年月日」に処分予定年月日を記載したとしても、「虚偽記載」には当たらない?
A:産業廃棄物を引き受けた時点では「処分」を行っていないため、紙マニフェストの虚偽記載に該当してしまいます。
疑問

確実に処分予定年月日に処分できるのであれば、嘘を書いたことにはならないから、虚偽とまでは言えないのでは?

紙マニフェストに関する処分受託者の義務は次のとおりです。

廃棄物処理法第12条第4項
 産業廃棄物の処分を受託した者(以下「処分受託者」という。)は、当該処分を終了したときは第一項の規定により交付された管理票又は前項後段の規定により回付された管理票に環境省令で定める事項(当該処分が最終処分である場合にあつては、当該環境省令で定める事項及び最終処分が終了した旨)を記載し、環境省令で定める期間(処分を終了した日から十日)内に、当該処分を委託した管理票交付者に当該管理票の写しを送付しなければならない。この場合において、当該管理票が同項後段の規定により回付されたものであるときは、当該回付をした者にも当該管理票の写しを送付しなければならない。

上記の「環境省令で定める事項」は下記のとおりです。

廃棄物処理法施行規則第8条の24(処分受託者の記載事項)
 法第12条の3第4項の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 氏名又は名称
二 処分を担当した者の氏名
三 処分を終了した年月日
四 当該処分が最終処分である場合にあつては、当該最終処分を行つた場所の所在地

「当該処分を終了したときは」が重要なポイントです。

「処分を終了していない」引き受け時には、「処分終了年月日」を書くことはできません。

そのため、「処分を終了していない」段階で、「処分終了年月日」を記載すると、「処分終了年月日の虚偽記載」となります。

「紙マニフェストの虚偽記載」は、廃棄物処理法第27条の2の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の対象となります。

懲役刑付きの刑事罰の対象であることから、紙マニフェストの虚偽記載は「事業の全部停止処分」等の行政処分のきっかけにもなります。

一般的には、残業代を申請するタイミングは「残業をした後」であることが当然ですが、「処分終了年月日を事前に記載する」ことは、「残業をする前に残業代を請求する」ことと同様となります。

くれぐれも、「この日にはほぼ確実に処分できるはずだから」という見込みに基づき、実際には産業廃棄物の処分をしていないタイミングで虚偽記載をしないようにご注意ください。

真面目な人ほど、前任者から引き継がれたとおりに、産業廃棄物を受け取った時点でせっせと「処分終了年月日」を記載し、行政官が見ている前で悪意なく廃棄物処理法違反をしてしまいがちです。

紙マニフェストの運用については、担当者任せではなく、会社で一貫したマニュアルを整備し、正しい方法を教育し続けることが不可欠です。

そうしないと、期せずして違反をした従業員自身のみならず、他の全従業員、ひいては法人にまで甚大な損害が発生することになりますので、誤った運用をしている企業におかれましては、今すぐ改善していただくことを強くお奨めします。

マニュアル等の関係規程の整備方法や、従業員の研修方法、遵守状況のチェック等でお困りの場合は、当サイト管理人【橋本(札幌市)尾上(大阪市)】までご相談ください。