| Q:「廃棄物再生事業者登録」を受ければ、廃棄物処理業の許可を受けずに、専ら物ではない廃棄物の処理を業として行っても良い? A:いいえ。廃棄物再生事業者登録を受けた場合でも、廃棄物処理業の許可なしでは廃棄物処理を業として行えません。 |
法律のどこにそんなことが書いてあるの?
廃棄物再生事業者登録とは何か
廃棄物再生事業者の登録制度は、廃棄物処理法第20条の2に規定されています。
廃棄物処理法第20条の2
廃棄物の再生を業として営んでいる者は、その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するときは、環境省令で定めるところにより、その事業場について、当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができる。
2 前項の登録に関して必要な事項は、政令で定める。
3 第1項の登録を受けた者でなければ、登録廃棄物再生事業者という名称を用いてはならない。
4 市町村は、第1項の登録を受けた者に対し、当該市町村における一般廃棄物の再生に関して必要な協力を求めることができる。
条文にあるとおり、廃棄物再生事業者の登録は「廃棄物の再生を業として営んでいる者」が対象であり、あくまでも任意の登録制度です。
登録を受けると「登録廃棄物再生事業者」という名称を使用できるようになり、市町村から一般廃棄物の再生に関する協力を求められる立場になります。
しかし、廃棄物処理業の許可を代替したり、免除したりする効果は一切ありません。
廃棄物処理業の許可が免除されない理由
廃棄物処理業の許可制度は、廃棄物処理法第7条(一般廃棄物)および第14条(産業廃棄物)に規定されており、業として廃棄物の処理を行う者には原則として許可が必要です。
この点は、環境省の通知(令和2年3月30日付 環循規発第2003301号)でも明確に示されています。
環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課長通知(令和2年3月30日)
15 その他
(3)法第20条の2の廃棄物再生事業者の登録を受けた者であっても、産業廃棄物の処理を業として行う場合には、産業廃棄物処理業又は特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けなければならないこと。
廃棄物処理法第14条第1項(産業廃棄物収集運搬業)
産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第14条の3の3まで(第14条の2を除く。)において同じ。)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。(以下、略)
廃棄物処理法第14条第6項(産業廃棄物処分業)
産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。(以下、略)
廃棄物再生事業者の登録を受けたとしても、これらの許可義務を免除する規定は廃棄物処理法のどこにも存在しません。
許可なしに廃棄物処理を業として行った場合の罰則
廃棄物処理業の許可を受けずに廃棄物の処理を業として行った場合、廃棄物処理法第25条の無許可営業に該当し、重い罰則の対象となります。
廃棄物処理法第25条第1項第一号
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の拘禁刑若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第7条第1項若しくは第6項、第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは第6項の規定に違反して、一般廃棄物収集運搬業、一般廃棄物処分業、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、特別管理産業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物処分業を行った者
廃棄物再生事業者の登録は、この罰則を免れる根拠にはなりません。
整理:廃棄物再生事業者登録と廃棄物処理業許可の違い
| 項目 | 廃棄物再生事業者登録 | 廃棄物処理業許可 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 廃棄物処理法第20条の2 | 廃棄物処理法第7条・第14条等 |
| 対象者 | 廃棄物を原材料として使用する事業者 | 廃棄物の収集運搬・処分を業として行う者 |
| 性格 | 任意の登録(メリットを受けるための制度) | 義務的な許可(無許可は罰則あり) |
| 主なメリット | 「登録廃棄物再生事業者」の名称使用、市町村からの協力要請を受ける立場 | 廃棄物処理を業として適法に行える |
| 許可の代替となるか | ならない | ― |
まとめ
廃棄物再生事業者登録は、廃棄物の再生を業として営んでいる者が任意に受けることができる登録であり、廃棄物処理業の許可を代替するものではありません。
専ら物(古紙・くず鉄・空きびん・古繊維)以外の廃棄物の処理を業として行う場合には、廃棄物再生事業者の登録の有無にかかわらず、廃棄物処理業の許可が必要です。
「登録を受けているから許可は不要」という誤解は、5年以下の拘禁刑または1千万円以下の罰金という重大な違反につながるおそれがあります。注意が必要です。
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