| Q:委託する産業廃棄物に「石綿含有産業廃棄物」が含まれる場合は、契約書にその旨を必ず記載しなければならない? A:「石綿含有産業廃棄物」を含有している場合は、その旨を委託契約書に必ず記載しなければなりません |
「石綿含有産業廃棄物」って何? そんな細かいことを一々委託契約書に記載しないと法律違反になるの?
「石綿含有産業廃棄物」とは、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた廃石綿等以外の産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの(廃棄物処理法施行規則第7条の2の3)」を意味します。
具体例としては、「スレート板」「Pタイル」「配管継手」等があります。
「石綿含有産業廃棄物」に関する委託契約書への記載義務の有無を判断するために、「産業廃棄物処理委託契約書」を規定している条文を見ていきましょう。
産業廃棄物処理委託契約書に関する基準は、まず廃棄物処理法で次のように定められています。
廃棄物処理法第12条
事業者は、自らその産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。第五項から第七項までを除き、以下この条において同じ。)の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることができる産業廃棄物を定めた場合における当該産業廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。以下「産業廃棄物処理基準」という。)に従わなければならない。
2~5 (略)
6 事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。
7~13 (略)
上記の「政令で定める基準」は、「廃棄物処理法施行令第6条の2」で次のとおり定められています。
廃棄物処理法施行令第6条の2(委託契約書の記載事項に関する規定のみを抜粋)
法第12条第6項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一~三 (略)
四 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。
イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
ロ 産業廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力
ニ 産業廃棄物の処分又は再生を委託する場合において、当該産業廃棄物が法第十五条の四の五第一項の許可を受けて輸入された廃棄物であるときは、その旨
ホ 産業廃棄物の処分(最終処分(法第十二条第五項に規定する最終処分をいう。以下同じ。)を除く。)を委託するときは、当該産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力
ヘ その他環境省令で定める事項
五・六 (略)
上記の「へ その他環境省令で定める事項」は、「廃棄物処理法施行規則第8条の4の2」で次のとおり定められています。
廃棄物処理法施行規則第8条の4の2(石綿含有産業廃棄物の含有有無等の適正処理に必要な情報提供内容に関する部分のみを抜粋)
令第6条の2第四号ヘ(令第6条の12第四号の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
一~五 (略)
六 委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報
イ 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
ロ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項
ハ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
ニ 当該産業廃棄物が次に掲げる産業廃棄物であつて、日本産業規格C〇九五〇号に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項
(1) 廃パーソナルコンピュータ
(2) 廃ユニット形エアコンディショナー
(3) 廃テレビジョン受信機
(4) 廃電子レンジ
(5) 廃衣類乾燥機
(6) 廃電気冷蔵庫
(7) 廃電気洗濯機
ホ 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨
へ 委託者が特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律第2条第5項に規定する第一種指定化学物質等取扱事業者である場合であつて、かつ、委託する産業廃棄物に同条第2項に規定する第一種指定化学物質(同法第5条第1項の規定により第一種指定化学物質等取扱事業者が排出量及び移動量を把握しなければならない第一種指定化学物質に限る。)が含まれ、又は付着している場合には、その旨並びに当該産業廃棄物に含まれ、又は付着している当該物質の名称及び量又は割合
ト その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
七~九 (略)
最後の「廃棄物処理法施行規則第8条の4の2第六号ホ」まで来て初めて、「委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨」が法定記載事項であることがわかります。
「法律」→「施行令」→「施行規則」という順に参照する必要がありますので、廃棄物処理法の書き方に慣れていない人にとっては見つけるのが困難な条文だと思います。
しかしながら、「廃棄物処理法施行規則第8条の4の2」にこまごまと書かれている内容が、「産業廃棄物処理委託契約書の法定記載事項そのもの」ですので、同条文の全文を読み、その意味を理解することは非常に重要です。
以上のように、委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨を産業廃棄物処理委託契約書に記載しなければなりません。
記載をしなかった場合は、委託基準違反として「3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または併科(廃棄物処理法第26条)」の対象となりますので、ご注意ください。





