産業廃棄物管理票(マニフェスト)の照合確認日が空欄のままだと廃棄物処理法違反となる?
Q:産業廃棄物管理票(マニフェスト)の照合確認日が空欄のままだと廃棄物処理法違反となる?
A:産業廃棄物管理票(マニフェスト)の「照合確認をした日付」は、マニフェストの法定記載事項ではないため、仮に空欄であったとしても、廃棄物処理法違反にはなりません。
疑問

市販されているマニフェストに法定記載事項ではない項目なんて本当にあるの?

それを判断するためには、マニフェストの法定記載事項の定義を見る必要があります。

マニフェストの「数量」欄は中間処理業者が記載する内容なので、排出事業者が記入してはいけない?」で既に解説をしたところですが、マニフェストの法定記載事項は、「廃棄物処理法第12条の3第1項」と「廃棄物処理法施行規則第8条の21」で規定されています。

廃棄物処理法 第12条の3(産業廃棄物管理票) 第1項

 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項及び第2項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。

「廃棄物処理法第12条の3第1項」には、「照合確認日」の定義が見当たりません。

次は、「その他環境省令で定める事項(廃棄物処理法施行規則第8条の21)」を見ていきます。

廃棄物処理法施行規則第8条の21(管理票の記載事項)
 法第12条の3第1項の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 管理票の交付年月日及び交付番号
二 氏名又は名称及び住所
三 産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
四 管理票の交付を担当した者の氏名
五 運搬又は処分を受託した者の住所
六 運搬先の事業場の名称及び所在地並びに運搬を受託した者が産業廃棄物の積替え又は保管を行う場合には、当該積替え又は保管を行う場所の所在地
七 産業廃棄物の荷姿
八 当該産業廃棄物に係る最終処分を行う場所の所在地
九 中間処理業者(次号に規定する場合を除く。)にあつては、交付又は回付された当該産業廃棄物に係る管理票を交付した者の氏名又は名称及び管理票の交付番号
十 中間処理業者(当該産業廃棄物に係る処分を委託した者が電子情報処理組織使用義務者又は電子情報処理組織使用事業者である場合に限る。)にあつては、当該産業廃棄物に係る処分を委託した者の氏名又は名称及び第八条の三十一の五第三号に規定する登録番号
十一 当該産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その数量
十二 電子情報処理組織使用義務者が第八条の三十一の四各号のいずれかに該当して管理票を交付した場合には、その理由
2 管理票の様式は、様式第二号の十五によるものとする。

「廃棄物処理法施行規則第8条の21」にも「照合確認日」なる法定記載事項は見当たりません。

上記条文の第2項の「管理票の様式(様式第二号の十五)」は、下記の画像のとおりです。

「管理票の様式」にも「照合確認日」が記載すべき事項として位置づけられていません。

以上のように、「照合確認日」は、マニフェストの法定記載事項ではなく、「(書くか書かぬかは自由な)任意的記載事項」という位置づけになりますので、照合確認日の記載が無かったとしても廃棄物処理法違反とはならず、刑事罰や行政処分の対象になることはありません。

とはいえ、「照合確認日」欄があるマニフェストを購入したのであれば、照合確認日を記載するようにしておけば、確認をした事実やその日付を明らかにすることができるようになりますので、「法定記載事項ではないので絶対に記入しない!」という頑なな態度を取るよりも、素直に確認した日付を記載する習慣を身に着ける方が合理的ではあります。