Q:マニフェストの「数量」欄は中間処理業者が記載する内容なので、排出事業者が記入してはいけない?
A:聞かれることが大変多い質問ですが、マニフェストの「数量」欄は、排出事業者が記載しなければならない産業廃棄物管理票(マニフェスト)の法定記載事項です。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)に排出事業者自身が記載しなければならない法定記載事項は、次のとおりとなります。
廃棄物処理法 第12条の3(産業廃棄物管理票) 第1項
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第十二条の五第一項及び第二項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、①当該委託に係る産業廃棄物の種類及び②数量、③運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称④その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
排出事業者が産業廃棄物管理票(マニフェスト)に記載しなければならない法定記載事項は、
- 委託に係る産業廃棄物の種類
- 数量
- 運搬または処分を受託した者の氏名または名称
- その他環境省令で定める事項
上記の4種類となります。
ただし、「その他環境省令で定める事項」は、「廃棄物処理法施行規則第8条の21」で、「産業廃棄物の荷姿」等、さらに細かく12項目が規定されていますので、実際に排出事業者が記載する内容は、全部で15項目となります。
実際には、市販されている産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)の様式を埋めていくことになりますので、15項目の詳細を暗記する必要はありません。
さて、上記のとおり、「数量」は排出事業者が書くべき法定記載事項であることがわかりましたが、
世の中、検量設備を持っていない「排出事業者」がほとんどだけど、検量設備が無いのに、「503kg」とか「2t」等の産業廃棄物の「重量」をマニフェスト交付時に書けないわ!
法定記載事項は、「重量」ではなく、「数量」ですので、
- 「ドラム缶1本」等の計測可能な数
- (見かけの推定容積で)「3立方メートル」等の量
と、委託する産業廃棄物の「数」や「量」を特定できる記載をすればOKです。
時々、「重量しか書いてはいけないので、ここは処分業者が記載する欄だ!」と主張する方がいらっしゃいますが、「数量」は「産業廃棄物の引き渡し時」に排出事業者が記載していなければならない項目ですので、必ず排出事業者が書くように徹底しましょう!
なお、中間処理終了後に、中間処理業者から正確な「検量結果」がマニフェストD票と一緒に送付されてくることが多いと思います。
その「検量結果」を、保存していたマニフェストA票の「数量」欄にわざわざ転記する義務はありません。
「検量結果」は、正確な処分料金支払いのための根拠資料となりますので、マニフェストA票かD票にホッチキス止めするか、請求書の添付資料として一緒に保存しておくと良いでしょう。