Q:産業廃棄物処理業者が作成する帳簿は電子保存が認められていないので、帳簿は必ず紙で作成しなければならない?
Q:産業廃棄物処理業者が作成する帳簿は電子保存が認められていないので、帳簿は必ず紙で作成しなければならない?
A:産業廃棄物処理業者が作成すべき帳簿については、電子保存が認められています。
疑問

「帳簿って紙の帳票のことよね?だったら、紙の帳簿は紙の状態で保存するしかないのじゃないの?」

ご安心ください。

「環境省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則第3条」及び「同施行規則別表第一」で、下記の書類については、電子保存が認められていますので、「産業廃棄物処理業者の帳簿」は電子保存可能です。

一般廃棄物処理業者の帳簿
産業廃棄物処理業者の帳簿
産業廃棄物処理施設の設置事業者の帳簿
特別管理産業廃棄物排出事業者の帳簿
情報処理センターの帳簿
一般廃棄物を船舶で運搬する際に備え付ける書類
産業廃棄物を船舶または車両で運搬する際に備え付ける書類
産業廃棄物処理委託契約書とその添付書類(許可証の写しなど)
産業廃棄物の再委託承諾書、再受託者に渡す文書
処理困難通知の写し

根拠:
「環境省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則第3条」及び「同施行規則別表第一」

肝心の電子保存の方法については、「環境省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律第4条」で

(電磁的記録による保存)
第4条  民間事業者等が、法第3条第1項の規定に基づき、別表第一の上欄に掲げる法令の同表の下欄に掲げる規定に基づく書面の保存に代えて当該書面に係る電磁的記録の保存を行う場合は、次に掲げる方法のいずれかにより行わなければならない。
一 作成された電磁的記録を民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。以下同じ。)をもって調製するファイルにより保存する方法
二 書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を民間事業者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体をもって調製するファイルにより保存する方法
2 民間事業者等が、前項各号の規定に基づく電磁的記録の保存を行う場合は、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに整然とした形式及び明瞭な状態で使用に係る電子計算機その他の機器に表示及び書面を作成できなければならない。
3 略

と定められています。

第4条第1項第二号の「紙の帳簿に手書きで記載した後で、その帳簿をスキャナで読み取り」という面倒な手間を掛ける必要はありませんので、 第4条第1項第一号の「電子計算機に備えられたファイル」として、PCで直接帳簿データを保存する企業がほとんどだろうと思います。

Excelを使用するも良し。

力技でWordファイルで様式を作成しても結構です。

立入検査に来た行政官に帳簿を見せる際は、帳簿の電子保存が認められている以上、PCのモニター画面で帳簿データを見せることができれば、法律上の義務は遵守していることになります。

もっとも、老眼が進んだ人にとっては、モニター上の小さな文字では内容が判読できない場合がありますので、そういった場合には、最新の入力データを(老眼でも読める字の大きさで)印刷してあげましょう。

※参考 帳簿記載例(積替え保管を含まない収集運搬業者の場合)