
Q:産業廃棄物処理業者の従業員が業務中に産業廃棄物の不法投棄を行った場合、その従業員を雇用していた法人は「3億円以下の罰金」の対象になる可能性がある? A:「両罰規定」があるので、そうなる可能性はあります。 |

実行者は従業員自身なのに、無関係な会社まで罰金刑の対象になるなんてひどすぎるわ!
残念ながら、廃棄物処理法では、次のような「両罰規定」が置かれています。
廃棄物処理法第32条第1項
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第25条第1項第一号から第四号まで、第十二号、第十四号若しくは第十五号又は第2項 3億円以下の罰金刑
二 第25条第1項(前号の場合を除く。)、第26条、第27条、第27条の2、第28条第二号、第29条又は第30条 各本条の罰金刑
不法投棄は、「廃棄物処理法第25条第1項第十四号」の違反行為ですので、「法人の業務に関して」行われた不法投棄の場合は、不法投棄を実行した行為者のみならず、使用者である法人は「3億円以下の罰金刑」の対象となる可能性があります。
なお、不法投棄を実行した従業員の罰則は、「5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金、またこの併科(廃棄物処理法第25条)」ですので、使用者に対して科される罰金刑の方がより重くなる可能性があります。
もっとも、「3億円の罰金刑」という刑事罰が下された事例を筆者は見たことがありませんが、「使用者が不法投棄を指示」「不法投棄の影響で無関係な人が死亡」といった悪質な不法投棄が起きた場合は、廃棄物処理法第25条の「1千万円以下の罰金刑」を上回る、高額な罰金刑が科されることがあるかもしれません。
また、クイズの出題としては、「産業廃棄物処理業者の従業員」という設定にしていますが、「排出事業者の従業員」が法人業務で発生した産業廃棄物を不法投棄した場合でも、同様の結論となります。
廃棄物処理法第16条では
廃棄物処理法第16条(投棄禁止)
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
と、「処理業者は」ではなく、「何人も」と規定されているからです。
実際には、廃棄物処理業者よりも、排出事業者による不法投棄件数の方が多いため、「絶対にダメ!不法投棄」と繰り返し周知徹底してください。
※環境省発表「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)」の「不法投棄実行者の内訳」を抜粋

